サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

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企業に温室効果ガスの削減に向けた取り組みが求められる中、ユニクロを展開するファーストリテイリングは、工場での電気の使用量を減らすなどして2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする方針を明らかにしました。

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 それによりますと、会社では今後、店舗に太陽光パネルを設置するなど再生可能エネルギーの活用を進めるほか、生産を委託する工場で電気の使用量を減らし、衣類の配送など物流の効率化もさらに加速させるとしています。

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柳井正 会長兼社長は「環境破壊が進めば、地球は今の世代で終わりになるかもしれないという危機感がある。社会をよりよくする企業を目指し、本気で行動したい」と述べました。

NHK NEWSWEB 2021年2月2日 17時55分

SDGsを意識した発言なのであろうが、安価な労働力があってこその、大量生産・大量消費を前提として、安価でリサーチの行き届いた、そこそこおしゃれなファストファッション(カシミヤセーターが数千円などはあってはならない)は 2050年はおろか2030年まで存在することができるのだろうか。

そのSDGsには、目標10「人や国の不平等をなくそう――国内および国家間の格差を是正する」、12「つくる責任、つかう責任――持続可能な消費と生産のパターンを確保する」とあるのだから、人間にとっての自然環境だけでなく、生活環境にも目を向ければ、矛盾していることは明白だ(それらの企業のトップは、生産と販売の実態を熟知していないはずはない)。また、3Dプリンターでよりローコストのものをつくる、という試みもあるようだ。

アンダーウェアは機能面で劣化が見受けられるまで処分はしないだろう。使い捨てにすることはあまりない。一方、ファストファッションのものは基本的に「使い捨て」を前提としたものだ。質の高い(価格も高い)ものを、長いあいだ身に着け続けるという価値観とは対極にある。手軽に「おしゃれ気分」を味わいたい層向けなのだろう。しっかりした質の高いものは、手軽に購入できるものではないから、その気持ちは理解できる。しかしそれでは、さまざまな環境への負荷が大きい。

ファストファッションへの対抗として、リサイクルショップの活用も一つの方向だと思う。ただ古着などは一点ものばかりなので、同じ商品が陳列されているのとは違い、欲しいものを見つける(何が欲しいかに気付く)のが困難であるかもしれない。(リサイクルショップというが、リサイクルとは廃棄物などを再活用してゆくことなのだから、繰り返し使うという「リユース」という言葉を使うのが適切)