サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

フリーランスと保障

新型コロナウイルスの感染拡大で政府は臨時休校に伴って仕事を休んだ保護者への支援として、業務委託を受けて働くフリーランスの人にも1日当たり4100円の定額を支援する方向で最終的な調整を進めています。
NHK NEWS WEB 2020年3月10日 14時59分

同日のNHKおはよう日本」の(ここに注目!)というコーナーで「フリーランス支援」についての問題提起がありました。放送内容を自分の関心をもとに箇条書きであげてみます。

さまざまな自粛モードで休業せざるを得ない人たちへの補償として助成金が使われるのですが、これにはフリーランスの人たちは対象になっていないという問題提起があります。

私は企業に属している安定した従業員ですので、雇用保険は完備されており、労働実態も把握されている。そのため金銭・労働実態も管理されているのを引き換えに。

ところが、フリーランスの人たちは、企業内にいても仕事を請け負って働いているという建前ですので、労使双方が負担する雇用保険のような仕組みからは埒外とされており、そして労働実態も外からは把握しにくいと説明されています。

そのようなフリーランスの置かれている状況について竹田忠解説委員の説明を引用します。

実は、政府は、多様な働き方としてフリーランスを後押ししているんです。
たとえば去年暮れにまとまった成長戦略の中間報告では。
フリーランスは会社員より満足度が高い」
フリーランスの環境をもっと整えるべき」ということまで明確に言っている。
ここまで持ち上げるのであれば、
まさにそのフリーランスという働き方を支える制度を
もっと検討すべきではないかと思います。

このフリーランス労働について政府表明があったころ、その保障についても説明はされていたようでしたけれど、掛け声ばかりで「自己責任」に転化させるのじゃないの、と深く考えずにいたことを思い出しました。しかしこの竹田の解説に触れて、フリーランスという労働形態に可能性を感じました。それどころかこれからの労働形態は、経営者志望者および起業者などとフリーランス層で共存してゆくのが「あるべきもの」とさえ思われるのです。

そのためにも「労使双方が負担する雇用保険のような仕組み」という幻想は捨てるべきです。それらは社会保険料といえるのですが、詳細にみれば企業の負担のほうが大きいとされています。しかしそれらは企業の利益から持ち出されるもので、本来なら給与として計上されてしかるべきものです。つまり、企業の福利厚生の一環ではなく、労働者の権利要求に属するものです。ただ私を含め労働者は小市民ですので、給与明細から引かれる金額の大きさが目に見えてわかり、あまり気持ちのいいものではありません。そのあたりのごまかしのためなのでしょうけれども、企業の恩の押し付けという感も否めません。冷静に考えてみれば、実賃金は変わらないはずなのですが……

しかし冒頭の速報では、まったく「フリーランスの環境を」整えているという姿勢は全く感じられないのですけれども。