サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

集団免疫

三月二十一日現在で新型コロナウイルスの確認された感染者は一〇五五人で、死者は三六人(クルーズ船は除く)と公表されているが、感染者については検査体制が万全でないため(不明な点が多すぎる)、正確な数字なのかという危惧がある。

そして何らかの症状があれば、適切な対応が取れるが、新型コロナウィルス感染で怖れているのは「無症候性キャリア」であって、知らぬ間に感染させてしまうという事態であろう。発熱などの症状があっても気安く病院にはかかれない。それは2~3日様子見で安静にしていて、症状が治まらないときにはじめて通院するのがあるべき対処法である、という自覚をひろめる契機となりうる可能性はあるが、しばらくたてば「そんなことで仕事を休まず、病院へ行って」となる可能性のほうが大きいかもしれない。

対策として、まず感染拡大を防ぎ感染を抑え込む、というシナリオを描いているが、一方で、批判されてはいるが「集団免疫」という提起もなされた。

      …引用…

ワクチンは開発中で、1~2年後には実用化すると考えられるが、それまではワクチンなしで事態を乗り切らなくてはならない。
 そこで出てくるのが、3月2日の専門家会議が示した「集団免疫」だ。ウイルスに感染し、治癒した人は免疫を獲得して、少なくともある期間は再び感染することはない。新型コロナウイルスについては、60~80%の人が感染して免疫を獲得すれば、それ以上の感染はなくなると考えられている。…略…
 3月12日、ドイツのメルケル首相が、「治療法が見つからなければ、ドイツの全人口の60~70%が新型コロナウイルスに感染する恐れがある」と語ったことが報道された。それは、まさにこの事実を述べているのだ。ちなみに「治療法」とはワクチンを意味する。
   新型コロナ「収束のカギ」にぎる集団免疫とはなにか ― 唐木英明
                 (WEB RONZA)
                 
シロウト判断だが、「集団免疫」とは結果として観測されるものではないだろうか。
そもそも「免疫」は「感染」するのだろうか。用語が不適切なのかもしれない。ウイルスが適応して感染力が弱くなる、といったほうが正確と思う。

ウイルスはそれ自体だけでは活動しないが、生きた宿主の細胞に寄生することで、自己を複製してゆく。しかし、宿主が死んでしまえば寄生しているウイルスも活動できなく(死?)なってしまう。それでは複製による自己増殖を目的とすることと矛盾してしまう。そのためにもウイルスは環境に適応して宿主の致死率はゼロに近づいてゆく。免疫とは何かとよく理解できていないが、人間が免疫を獲得するよりも世代交代の早い(複製するのだから適切でないかもしれない)ウイルスが変質して適応してゆく、というのが正しい理解ではないだろうか。

と、そのような事態やワクチン開発を待っていられないので、予防策に頼るしかないだろう。個人でできるのは手洗いくらいだろうか。マスクは他の人への感染予防には有効だろうが、自身への感染予防という点では、注意事項が多く適切に使用できるかという点も含め、疑問を感じている。過剰な自粛や外出の制限などには批判もあろうが、ウイルスの解明がなされて正確な感染状況がわからなければ、致し方がないのかもしれない。医療と解明を最優先にという方策しかないと思う。そして少しづつでも規制の緩和に向けて、というありきたりな処方しかない。