サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

「誰もが五輪が好き」はおごり

 白血病からの復帰をめざしている競泳女子の池江璃花子(19)=ルネサンス=が18日、自身のツイッターなどにウィッグを外した姿を初めて公開した。「今のありのままの自分を見てもらいたい。このメッセージがひとりでも多くの方の希望になればうれしい」などとつづっている。
 化粧品ブランド「SK―2」とのタイアップ企画で、動画も公開。「現在、世界中が不安で辛(つら)い日々を送っています。このメッセージが、アスリートの仲間にとっても、また同じように苦難と戦っている誰かにとっても、小さな希望になればうれしいです」とも記している。
               (朝日新聞デジタル2020年5月19日)
               
朝と時々の夜の「NHKニュース」を流しているだけなので、時流にはかなり疎い。池江璃花子にしても、白血病の闘病の報道からはじめて意識できるようになったくらいです。彼女はこれを良心から公開したのだと思うが、彼女の認知度や注目度からしても、メディアで報道されるのはどうかと感じる。たとえ、彼女のツイッターのフォロワーは100万くらいいるにしても、それはあまりに狭い世界であると考えなければならない。そしてその人たちにあってのみ「小さな希望」が共有される。
しかしメディアで報道(決して彼女が関知するものではない)されれば、関心のないものにまで届いてしまう。例えば、発病以前の彼女のイメージのない私のようなものにとって、「ありのままといっても、きれいにメイクして」などと不埒な印象がまずあった、という反応は想定できなかったのだろうか。メディアの思い込みによる「おごり」、それとも「美談」的なフィクションへの欲望?

「おごり」とはオリンピックをはじめとするスポーツへの偏重する世相にある。多くの人はそれほど注目していない。声の大きさに惑わされているだけのこと。

まさに、「誰もが五輪が好き」はおごりと言っていい、である。朝日新聞デジタル(2020年5月18日)での山口香による記事である。記事の詳細は触れるまでもない。
人物紹介
 やまぐち・かおり 1964年生まれ。84年柔道女子世界選手権優勝、88年ソウル五輪銅メダル(公開競技)。筑波大教授。日本オリンピック委員会理事。
 
そのような彼女の意見であるこそ傾聴に値する。