サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

相談・受診の新指針

加藤勝信厚生労働大臣は5月8日の記者会見で、「相談・受診の目安」としてきた「風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている」、「強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある」について、早ければ今日にも改定版を公表すると表明した。
大臣は記者会見の中で、2月に発表した目安について「相談する側の目安で4日以上、平熱以上が続く場合は必ず相談するようにと申し上げてきたが、相談や診療を受ける側の基準のように思われてきた。われわれから見れば誤解だ」と述べ、保健所の担当者らには、症状を聞き取るなどして対応するよう強調した。
なお、自治体の公衆衛生関係者に出された2月17日付の同省の事務連絡では、疑い例とする条件のひとつとして「発熱(37.5 度以上)かつ呼吸器症状を有している」ことがはっきりと書かれている。
               (MEDIAN TALKS 2020年5月8日)
               
幸い発熱はしなかったが、かかりつけ病院へ行くのも迷惑がかかりそうなので、発熱すればどうすればいいのかわからなかった。そんな人任せのような基準を打ち出して、不安を広めただけであったが、厚生労働省は同日に新型コロナウイルス感染に関する相談・受診の目安について、「37.5度以上の発熱が4日以上続く」との表記を削除した新指針を公表した。

しかし、大臣の「相談する側の目安で4日以上、平熱以上が続く場合は必ず相談するようにと申し上げてきたが、相談や診療を受ける側の基準のように思われてきた。われわれから見れば誤解だ」という発言は理解しがたい。
まず、「相談や診療を受ける側」と言っているが、相談を受けるのは医療従事者であるが、診療を受けるのは相談者となるのだろうから、当事者が一致していない。そして、この場合では、新型コロナウイルス感染を想定してのものだから、受けるのは「診療」ではなく「検査」や「診察」が正しい。非常事態の中、大臣の会見がこのようにいい加減のものでよいはずはない。
「4日以上、平熱以上が続く場合は必ず相談」という目安を示してあり、4日まででも必ずではないのだから相談を、という意図があったにせよ、感染したくはないし広めたくもないので、ためらってしまう。くわえて、医療体制がひっ迫しているという報道が連日なされているわけだから……。
それを「誤解」と断じられても、2月17日から5月8日まで「誤解」が広まっていることが認識されていなかったのでしょうか。それで重症化されたり亡くなったりされた方がおられるかもしれない、というのに。