サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

消費税という不可解な税制

消費税について、疑問に感じていることがある。免税という制度があり、その手続きを経て消費税を免除するのだが、消費税などの付加価値税は消費される国に対して納められる、というのは理解できる。ではなぜ、10%が免除され、20%を負担するという選択が、建前上にしろ成立するのだろうか不思議に思えて仕方がない。そのような感想もあり、消費税への不信感もあって、文藝春秋 新春特別号に掲載されている山本太郎の論文『「消費税ゼロ」で日本は甦る』を読んでみた。松尾匡の指導を受けていたと耳にしていたので、ほぼ予想どうりの内容だったので、新鮮味は感じられなかった。

『消費税ゼロ』という趣旨についてはおいておくが、「消費税」といういい加減な税制について考えてみたい。そもそも、付加価値税である消費税は利益に対しての税金であるのに、まるで消費に対する税金であるようなネーミングが不自然だ。売上税ではなく本来の付加価値税について考え直してみるべきだ。

付加価値税とは言うまでもなく、売上額から仕入れ額をひいた利益額への税金である。ある商品の価格というのは利益の積み重ねであるのだから(原価ゼロがはじめにある)、価格が100円の商品への税額が10円になる。そのようにして私たち消費者は110円で商品を購入する。しかし消費者は商品を消費するのであって、それで利益を得るわけではないのだから、110円は本体価格プラス税ではないく、110円が本体価格であるはずだ。消費者は消費税を負担はしているが、それは税金としてではない。本体価格プラス税という表記はインボイスなどの関係で企業間取引では必要かもしれないが、小売価格にまで外税表記を適用するのは、間違いであろう。ただ企業が値上げを抵抗なく実施するための方策としか思えない。

消費ではなく利益にかかる税金であるならば、輸出入時における消費地を基準にしての還付金もおかしな制度だ。

ゼロにすべきかどうかは、利益に対しての税であることを徹底・周知してからの見直しにすべきだ。

山本論文についてひとつだけコメントを。繁盛しているラーメン店が儲かっておらず、二年間消費税を滞納しているという例について、これは経営方針などがダメなのであって、第一に傷口が大きくなる前の方針変更なり経営者の交代などが必要になる。企業努力で「安くてうまい」のかもしれないが、それで税金を納められないのは本末転倒では?