京都市長選 その3
今日は京都市長選挙の投票日なので、投票への確認でもと思って、京都新聞ホームページにある『京都市長選立候補予定者3人、本社討論会詳報』という記事を読む。その中で次のことに関心をひかれた。。
-厳しい京都市の財政状況をどう乗り切っていくか。
福山和人 村山さんが「北海道夕張市に次いで破綻寸前」と言っているのは、言い過ぎと思う。市の財政はいいとは思わないが、オオカミ少年的な言い方はミスリードになる。
……
村山祥栄 オオカミ少年というのは言い過ぎだ。財政が悪いのは悪い。覚悟を示す必要があり、市長給与を50%カットする。嫌われ者に徹し、人件費の見直しも行いたい。
……
門川大作 財政は厳しく、大きなテーマだ。10年のスパンで言うと、306億円の赤字から、200億円を超える黒字になった。……
2020年1月7日 17:10
京都市の借金残高は一兆七千万円余であるという財政について、福山が「いいとは思わない」、村山が「悪い」、門川が「厳しい」という表現の違いが興味深い。それはどのような政策を重要視しているかによるのだろうが、記事全体を見ても彼らの財政らへの危機意識は村山→門川→福山という深刻さをもっているようだ。
また、上記の福山の発言は村山の著書『京都が観光で滅びる日』での
……自治体が将来支払う負担の残高を指標にした将来負担比率という数字があるが、これは、一般的には破綻危険度といった表現で用いられることがある。現在、600%を超える夕張市を除くと、破綻水準に近い自治体はないが、ついに京都市は2015年度(平成27年度)、2016年度(28年度)と2年連続夕張市に次いで破綻危険度ワースト2位となった。
を参照にしてのことと思うが、村山が「ワースト2位」であった現状の具体的水準を示していないのは不十分だとはいえるが(30年度で191.2%らしい)、同書をさらっと読んだ範囲では「破綻寸前」という印象は持たなかった。
ここによく表れているように、今回は触れていないが門川は「実績強調での改良」、村山は「功罪を含めての現状批判が起点」、福山は「生活者視線にもとづく」というまったく意外性もないイメージどうりになってましったが、なにに重点をおいているかで問題の見え方が異なってしまう。同じ現実をどのようにみているのか、それへの共感こそが判断基準となる。