サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

アゾフ大隊

 「アゾフ大隊」について、民族主義やネオナチというイメージを持っていて、危険な存在だ、と思っていました。
 
 四月二十二日の毎日新聞の『アゾフ大隊「極右」誤り 元ウクライナ大使指摘』『ウクライナ戦闘部隊「アゾフ大隊」 露「ネオナチ」強弁、標的に』の二本の記事に触れて、これって、プーチンプロパガンダそのままじゃないの、と反省しきり。後者の記事より引用。

 ……元々は極右グループを中心に結成されたこの組織はネオナチ思想との関連性が指摘されたこともあり、「ウクライナの非ナチ化」を掲げるプーチン露政権にとって格好の標的だ。

 アゾフ大隊の誕生は2014年にさかのぼる。この年の2月、親欧米派の市民と民族主義者らによるデモが親露的なヤヌコビッチ政権を崩壊させたのが始まりだった。プーチン政権は反撃として南部クリミア半島を軍事制圧して一方的に編入、東部のドネツク、ルガンスク両州では親露派武装勢力ウクライナ軍の戦闘が始まった。

 ウクライナでは当時、兵力が不十分な軍を補強するため、オリガルヒ(新興財閥)の資金拠出で民兵部隊が次々生まれた。極右グループを基盤として、ユダヤ系の富豪コロモイスキー氏らの支援で14年5月に創設されたアゾフ大隊もその一つだ。

 ……英メディア「インディペンデント」によると、創設者のアンドリー・ビレツキー氏(42)は北東部ハリコフ出身で元フーリガン(暴力的なサッカーファン)の白人至上主義者と指摘されてきた。

 ただ、アゾフ大隊は14年11月に内務省傘下の国家警備隊へ編入されて以降、政府からの圧力もあり、過激主義的なグループの排除や隊員の多様性をアピールしてきた。軍本体が戦力を強化したため、大隊の役割は低下したとも言われた。

 注目された創設者のビレツキー氏は14年に最高会議(国会)議員に当選し、大隊を離れた。16年には共鳴する大隊出身者らと極右政党を結成したが、19年の選挙で2・15%しか得票できず、自身も落選した。

 アゾフ大隊の問題に詳しいドイツ人研究者のウムランド氏は「欧州諸国の多くと比べると、ウクライナで極右グループは力を持っていない」と独メディアに話している。
   
   毎日新聞 2022/4/22 05:00

 


   
 考えてみれば、NATO加盟を目指しているのだから、そんなマイナス要因になる組織を温存しておく必要はありません。東部の親ロシア派や一方的なクリミア半島編入にもかかわらず、突然の、理不尽な軍事侵攻を考えていなかったのだから。