サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

ネタバレサイトとネット広告

「ネタバレサイト」運営会社が著作権法違反の疑いで、書類送検されました。この手のサイトに疎い、というか関心もないのですが、広告収入を得ていた、ということで気になりました。では「ネタバレサイト」ってどんなもの?ということさえ具体的に知りません。

ネタバレサイト

マンガ雑誌の発売前に掲載作品の複写画像やあらすじを無断配信するウェブサイト。通常の発売日に先駆けてマンガ雑誌を販売する「早売り店」でマンガ雑誌を入手し、スキャナーで人気作品を複写し、摘発を逃れる目的で画像の一部に文字を組み合わせるなどの加工を施して内容をサイトに掲載している。………17年9月、熊本県警などがアフィリエイト公告により多額の収益をえている悪質な二つのサイトの運営者を著作権法違反容疑で摘発した。

                          知恵蔵miniコトバンク

早売り店なるものがあるのですね。雑誌などは発売日よりも前に配達されているのでしょうから、あり得るかもしれません。

このケースでは著作権法違反が問われましたが、問題はネット広告のあり方、にあるのではないでしょうか。大企業ならば、独自で広告をアップすることも可能でしょうけれど、その大企業であっても、プラットフォーム(と呼んでいいのか分かりませんが)を経由して、サイトに表示させているケースがほとんどのような印象を持っています。プラットフォームが仲介してサイト主と広告主をつないでいる、というイメージでしょうか。こういう方面に精通している人たちなら、たやすく収入を得ることができることでしょう。

この「たやすく」というのが問題なのだと思います。ある種の人たちにとっては、リスクとリターンを分析してみて、多少の違法行為なら乗り越えてしまうのに、ためらいを感じないかもしれません。

いきなりですが、これは「善と悪」についてなのです。広告主、プラットフォーム事業者、サイト運営者にとって、少しでも多くの収入を得ることは「善きこと」です。これは三者に共通しています。その流れの中で、サイト運営者が著作権法違反(まだ書類送検の段階です)という「悪である」手段を使ってしまったのです。つまり、(たぶん、トマス・アクィナス曰く)「悪」は本質的ではなく、そのものを目的にはできないのです(スピード違反を目的とすることはありえません。早く目的地に着きたい、スリル、格好イイと思って、などのための結果としてのスピード違反、です)。だから、「悪」はリスクとリターンを無意識に分析して行われるものだ、と考えられます。

インターネットの普及により、多くのことで対面が不要になり、リスクを感じることへのハードルが下がってしまい、また手法も身近なものになったのでは、と感じています。