サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

自粛要請のおそろしさ

 西村康稔経済再生担当相は8日夜の記者会見で、新型コロナウイルス対策で行う酒類提供停止などに応じない飲食店に対し、金融機関から対策順守を働きかけてもらう考えを表明した。資金面から飲食店への圧力をかけたと受け止められかねない発言だけに、飲食店や金融機関の反発も広がり、野党は辞任を要求。西村氏は9日、方針を撤回した。
           毎日新聞 2021/7/9 20:05 

 考えるまでもなく、「そんなことはできるはずがない」と分かりそうなものなのに「なぜ?」。また浮世離れした見地からの発想、と受け流してしまう自分のふがいなさを痛感させられた。この一年半ほど素人目にもおかしなことが多すぎて、麻痺してしまっているのかもしれない。
なぜそんなことになってしまうのか。
週刊現代7月10・17日号の『社会を破壊した「コロナの1年」』という座談会で井出英策が

ちなみに、僕は「自粛」という言葉を使うのが苦手です。「自粛要請」って、日本語として変じゃないですか? 

と述べているが、これと通底するのではないか、と思っている。
この言葉が広まったころ、「またわけのわからない言葉が」と思ったが、よく考えれば、それで済まされるものではないようだ。
「自粛要請」とは「自らつつしむことをお願いする」ことで、現状に当てはめて文章にするなら、政府が国民の皆様に「自らつつしむ」ことをお願いする、となる。これを言いかえれば、「私たちは政府から自粛を要請されている」ということ。全体主義とか自己責任への転嫁というおそろしい含意がみられる。