サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

岡村の「風俗願望」妄言から思うこと

ナインティナイン岡村隆史さんが、ニッポン放送のラジオ番組で、新型コロナによる生活苦で「可愛い人」が性風俗店で働くことになるのを楽しみに待とうと呼びかける趣旨の発言をしたことについて、ニッポン放送は4月27日、公式サイト上に「認識の不足による発言」とする謝罪を掲載した。

岡村さんの発言は4月23日の「ナインティナイン岡村隆史オールナイトニッポン」でのもの。

リスナーからメールで寄せられた「新型コロナウィルスの影響で、風俗店に行けない」という悩みに答える形式で、「コロナが収束したら絶対おもしろいことあるんですよ」と前置きし、「コロナ明けたらなかなかの可愛い人が、短期間ですけれども、美人さんがお嬢(性的サービスを提供する店員)やります。これなぜかと言えば、短時間でお金を稼がないと苦しいですから」と発言。


さらに「3ヶ月の間、集中的に可愛い子がそういうところでパッと働きます。そしてパッとやめます。それなりの生活に戻ったら」とし、「その3ヶ月のために頑張って今は歯食いしばって頑張りましょう」「ぼくはそれを信じて今頑張っています」と結んだ。

また、スタッフからも何度も笑い声が上がり、たしなめるような発言はなかった。

この発言は、新型コロナによる生活困窮で、女性がやむを得ず風俗店で働くことを歓迎しているもので、「女性への搾取発言」「貧困問題を軽視している」と批判の声が挙がっていた。
                                  (HUFFPOST 2020年04月28日)

との報道があり、30日の同ラジオ番組でこの不適発言について謝罪した。

発言内容に関して、今更述べる言葉はない。しかし、上記記事の「スタッフからも何度も笑い声が上がり…」という記述には、「身内向けの、身内受けのみを重視している」いわゆるバラエティ番組のありようが表れている(社会性の欠如というのでしょうか)。それは、もともとそのようなものでしかない。

数件の風俗店のホームページを見てみると、驚くことにまだ営業しているところもあるようだ。そして今、生活が行き詰まっている女性も居られよう。それが「感染へのおそれ」を乗り越えてしまったとき、その葛藤は当人の内に閉じこもってしまうだろう。そのような女性は、少なからず居られるのかもしれない。岡村の「美人さんがお嬢」といったのは希望的願望でしかなく、容貌と困窮は関係がない。あきれるくらい身勝手な発言。

岡村は謝罪で、
番組冒頭で、岡村は「リスナーの方もそうでない方も多くの人が苦しい状況にある中で大変失礼な発言をしてしまいました。経済的な問題で生活が苦しくてやむを得ず風俗嬢になられる方への理解や想像力に欠ける発言をしてしまいました」                                      (ORICON NEWS 2020-05-01 )
と述べたが、これも「風俗嬢=生活苦」という搾取の物語を強化しそう、と危惧する。楽しんでやっていたり、贅沢のため「肉体労働」と割り切って務めている嬢も多いのは、かつてバーなどで本人たちから笑いながら直接聞いた話。

結論
岡村の不適切発言と問題を矮小化してはなりません。「経済的な問題で生活が苦しくてやむを得ず風俗嬢になられる方」があるという間違った社会が、眼の前にあることをこそを問題視しなければなりません。付け加えれば、「おかれた状況によって」というケースもあろう。
風俗産業には需要があり、不幸なケースがなくとも供給もあるでしょう。性的搾取という小難しい問題もありますが、業務を踏まえたうえでサービス供給者への尊重さえあれば、否定するものではなく、楽しめかつ「win win」と双方の利益にかなっています。