サンガの寅さん

中学生が理解、批判できる、をモットーとしていますが、記事が健全な中学生には、不適切な内容のこと、もあります

増田社長の「ご迷惑をかけて」発言に思う

日本郵政増田寛也社長は27日の記者会見で、郵便局の社員31人がこれまでに新型コロナウイルスに感染したことを明らかにし、郵便局の窓口時間の短縮など、感染拡大を防ぐための対策に理解を求めました。
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これについて増田社長は「顧客や関係の自治体にご迷惑をおかけし、申し訳なく思っている。グループの規模が非常に大きいので特別に感染者が多いとは思っていないが、今まで以上に感染を防ぐ措置をきちんと講じていくことが必要だと思う」と述べました。
NHK NEWS WEB 2020年4月27日 19時23分)

余談ですが、地元の郵便局は、お盆や年末年始の休暇の期間しか利用することはありません。しかし、顔の見える地元密着という雰囲気があり、好ましいという印象をもっています。考えてみれば、郵便局は超のつく大企業であるにもかかわらず、小規模である地元の郵便局は三名ほどの社員で対応されています。そのせいでしょうか、よそいきの大企業ではなく、親しみやすい近所のお付き合いができる、という雰囲気があります。「彼ら」も実情はどうであれ、私たちにとっては「ケア労働」にあたっているという要素があります。(この要素と会社の方針の軋轢が「不正な契約」の要因になっているのかもしれない)

今次の危機にあって、私たちの生活にかかわる、今まで見えてこなかった「ケア労働」への認識の裾野が大きく広がりました。「彼ら」の労働なしには、私たちの生活が成り立たない、という認識を強く実感できます。

そのような方たちが、やりがいを持って業務に当たれるように、と私たちができることは感謝を持って、「ストレス」になるようなことは慎まなければならない、くらいでしょうか。

そこに増田社長の言葉です。全文には触れていないのでどうかと思うのですが、現場の負担の軽減にも言及されてはおられます。しかし、「顧客や関係の自治体にご迷惑をおかけし…」という発言の真意は理解しかねます。多くの国よりも規制の緩い日本にあって、「ご迷惑」という発言は、耳当たりのよいその場しのぎ、としか思えません。他国の「ご迷惑」はレベルが違いすぎます。社員の労働と環境が第一で、その範囲での限定された業務への理解を求めてゆくことが、この状況下でのトップの役割であるはずです。業務という数値化された、顔を持たない「彼ら」ではないのです。つい、……なヘッドハンティングの弊害がよぎります。それとも「うがち過ぎ」?