省察・精察
國分は中動態の概念に関心を持ったのは、近代的な主体性を批判していた「ポストモダン思想」に強く惹かれていたからだ、と述懐しています。そのポストモダン思想ですが、一九八三年の出版である浅田彰の『構造と力』で、難解な思想をチャート化して、同書を…
少し厄介です。民藝や手仕事はいいものだと思っています。しかし、それらにおける「美」などといわれると、自分がかかわれる範囲を超えているように感じてしまう。たとえば私には、民藝や手仕事によるものと工業的な製品と、大量生産のいかにもな物は別にし…
「利他」を考える手がかりとして、志賀直哉の『小僧の神様』とチェーホフの『かき』が取りあげられています。ごく簡単な要約をします。 『小僧の神様』 秤屋《はかりや》で働いている小僧が、寿司を食べようと屋台に入り、マグロに手をのばしたときに、お金…
『「利他」とは何か』(集英社新書 2021) この本を手に取ったのは、伊藤が述べているように「利他という言葉は聞くけれどその実態はよく分からない」からでした。というよりも、改めて考えることもなかった、のです。一読後も、あまり釈然としませんでした…
十月三一日に実施された衆院選の結果、議席数は自民276から261、立憲109から96、維新11から41、公明29から32、国民8から11、共産12から10となり、維新・公明・国民が増、自民・立憲・共産が減だが、自民は過半数を大きく上回る結果となった。この結果から国…
内閣府資料でジェンダーギャプ指数が発表されている。 2020年の総合順位で153か国中121位であるのは広く知られているが、日本の総合順位を2006年の発表から順に追ってみる。以下、ランク・調査国数・指数の順で列挙する。(指数は1に近いほど男女平等) 2019…